01
代表
杉下 永次
頭の中にある「色」を引き出す
ずっと印染をしてきた自分だからできること。それが“染色ディレクター”なんだと思います。クライアントやデザイナーさんと工場が直接やりとりすると、たいがい上手くいかないんですね。それは見本の色と頭のなかのイメージの色は違うからなんです。DICの色見本を布に落とすと違う色になる。色見本や会話から相手の頭の中にある「ほんまもんの色」を引き出す。そして作業に落とし込んで職人さんに伝える。正確にディレクションするためにもお客様との会話を大切にしています。02
常務
杉下 聡
染めに関しては「僕たちは日本一」
生まれたときから「この仕事をするんやで」と言われてたんで、迷いも選択肢もなかったですね。染めの仕事は、「日々の違いを見る」「やってきたこと」の積み重ねです。それをデータとして自分の身体に落とし込めるか、職人はそれだけです。作家ではないし、自分が満足するものをつくるのではなく、お客さんが満足するものをつくる。しょうもないこだわりはいらない。だけど、染めに関しては「僕たちは日本一」と言えるくらい、プライドもってやってます。そうでないとお客様に失礼だから。03
工場長
児玉 佳憲
印染は楽しい
実家が友禅の仕事してたんですが、これからの時代着物は、自分が染めたものを着てるとこ、見ることはないな、と。でも染めはしたかったんですね。印染は実用してなんぼ。だから、時代に合わせて印染は変化していく。戦の旗など、シンボルを染める印染。いまは球技場の横断幕などに形を変えている。反対側のアルプス席からでもはっきり見えるしね。自分の染めたものを街で見かけたり、自分で染めた法被を着て祭りに出たり。印染は楽しいんです。04
営業
杉下 権治
NOと言わない
営業の仕事は基本的に「断らない」「できないと言わない」ことです。求められたことに対してNOと言わないのは、職人さんたちを信頼してるからです。難しいことでも、文句言いながらやってくれるだろうと。その積み重ねで、技術的にもレベルが上がって、できるようになったりするんです。最近は、染めの業界にも“印刷”が入ってきて、またネットなどの情報が氾濫し、価値と値段が混乱している。でもスギシタだからできることがあるはず。色彩のデータ活用、建築との融合など、新しい分野のお客様にもアプローチしていきたい。05
職人
北阪 滋雄
天候による糊の変化を感じられるか
高校で染色を学んだ経験からこの仕事を選びました。午前中は水洗いの作業、午後には色炊き、糊置きをすることが多いです。色炊きは、毎日同じようにしていても、天気や天候によって糊の状態が変わるんです。炊いているときの粘度など、どれだけ布海苔(糊)の変化を感じられるか。これは、14~15年やっていても、いまだに難しい。高校野球の旗など、お客様の大切なものを扱うので、常に緊張します。それだけに、心に残る仕事も多いんですね。06
職人
市川 大高
動くスピード、段取り―効率化が大事
染物のことはまったく知らなかったのですが、ハローワークでみつけた「印染」というものがおもしろそうだと思い入社しました。はじめて3年ほどですが、印染の仕事は効率化が大事なんだと思います。先輩方を見ているとよくわかります。動くスピードや段取りなど、すべてが仕上がりに影響するのだなと。まだ、職人の基本的な作業、地入れや色を作ることをしていますが、できる事を増やして、はやく一人前になって、いろいろな仕事ができるようになりたいです。07
裁断・縫製
松浦 三賀子
やっぱりうれしいですね
洋裁をしていて、印染のことは知らずに入ったのですが、いまでは見本さえあればなんとか形にできるようになりました。思い入れのある品を「同じものをつくってほしい」と依頼されることもあります。昔のものはほとんどがオーダーメイド。寸法、仕立て方も同じものはありません。常に勉強ですね。生地を切る(裁つ)とき、一番神経をつかいます。裁ちまちがえると、職人さんにまた一から染めてもらわんといけないんで。地方のお客様からうちで染めたものの写真を見せてもらったりすると、やっぱりうれしいですね。08
デザイナー
覺野 真規子
ものづくりのプロセスを実感
大学の大船鉾(祇園祭り)の幕のグループコンペで、デザインが採用されました。製作するとき杉下代表に指導を受け、そのご縁で入社しました。伝統のものなので、デザイン的なしばりも多く、今風にアレンジしていい部分と伝統を残す部分と、保存会の方に話を聞きながら完成させました。学校でのデザインは自分で完結するもの。お客様の要望を聞いて作製していくのは初めてで、新鮮でしたし、ものづくりのプロセスを実感しました。印染の特性を自分のなかに落とし込むのが今の課題です。メールでの
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